以前から成長を続けてきたEコマース市場ですが、新型コロナ騒動を受けた今、さらなる伸びを見せています。要因自体は歓迎できませんが、市場の活況は事業者にとってチャンスでしょう。
ではEコマース市場の成長率はどうなっているのか、そして今後の見通しはどうなのか。
本記事ではこの点について、データを交えながら解説していきます。
【B2C】Eコマースの成長率
上図のとおり、国内のB2C-EC市場の規模は年々拡大しており、2021年以降もその流れは続くと見られています。2020~26年の間に10兆円近くも成長するのは、景気が低迷している昨今の日本において明るい話題ではないでしょうか。
市場のうち最も大きい分野は物販系で、各年で全体の50%を超えています。次がサービス系の35%ほど、次いでデジタルコンテンツの10%となっています(*1)。
また、物販系での構成比率は以下のとおり。
上位の5分野で、全体の75%を占めました。ただ、これは2019年のデータであり、コロナ禍を受けて外出が制限された2020年の場合、アパレルの割合減少と食品・書籍・映像などの割合増加が予想されます(*2)。
スマホ経由でのEC市場規模も年々拡大
スマホでECを利用する人の割合は年々増加しており、今や全体の半数近くになっています。PCとは違い、場所や時間を選ばずに使えるスマホの存在は、EC市場規模の成長に大きく寄与しているのです。
FacebookやInstagramには、投稿内容とECサイトを連携させる機能もあり、スマホのり弁性はますますアップしています。今後はPCの割合を逆転するかもしれませんね。
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越境Eコマースの成長率
出典:経済産業省/電子商取引に関する市場調査(平成30年度)
越境ECも、国内ECに比べて規模こそ小さいですが年々順調に成長しています。日本にはない商品が手に入るのは、やはり魅力的ですよね。
また、日本の越境EC市場には、購入額が低い一方で販売額は高いという特徴があります。日本製品の海外需要が高いというわけで、事業者としては販路拡大手段として越境ECを検討するのも手でしょう。
【B2B】Eコマースの成長率
B2B市場は2C市場を軽く超える規模で、2019年は352兆9,620億円(前年比2.5%増)となりました。上図を見ると、年々数%の成長を続けているのが分かりますね。
業種別の内訳は次のとおり。
出典:同上
2018~19年にかけては、「建設・不動産業」「食品」「小売」の分野が特に伸びています。
BtoB市場の特徴として、EC化率の高さが挙げられます。EC化率とは、商取引全体のうちECによるものを表した数字のこと。
2019年、物販系BtoC市場のEC化率は6.76%であるのに対し、BtoB市場は31.7%。対面営業や電話などがECに切り替わっているのです。
【2021年】コロナ禍におけるEコマースの成長率
出典:futureshop/フューチャーショップ、2020年7月〜9月の流通額が昨対比141%の382億円。稼働店舗数は2700店舗突破。
2021年現在もコロナ禍は収束の兆しを見せていません。これにより外出がはばかられるようになっており、冒頭でも述べたように、EC市場規模は急成長しているのです。
ECサイト構築プラットフォームを提供しているfutureshopによると、同社のシステムを利用する企業の注文件数は前年比で平均66.15%伸びています。
他社のECサイトでも同様で、前年同月よりも大きな売上を記録。
この先コロナ禍が沈静化すると、実店舗での買い物需要が回復するでしょう。しかし、一定層はEC利用も継続すると考えられます。
人々の生活スタイルが変わりつつある今は、ECサイトに注力する絶好の機会といえるでしょう。
*ECサイトの開設・運営に際して、政府の補助金制度を活用できます。詳しくはこちらのサイトで確認してみてください。
まとめ
今回はEコマースの成長率について、B2C・越境EC・B2Bそれぞれの現状と見通しを解説してきました。
スマホの普及やコロナ禍により、今まで利用していなかった層にもECが定着しつつあります。今後は新規客の取り込みとともに、リピーター化のための施策も重要になるでしょう。
また、ライブコマースやVRコマースといった新しい形態も登場しており、ECでの売り方も多様化しています。これらについて関連記事にて詳しく解説していますので、ぜひこちらもお読みいただければと思います。
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