ECサイトの制作・運営をするには、どんな仕組みでサイトができていて、それぞれの機能は何のためにあるのかを理解しておかなければなりません。
当然といえば当然のことなのですが、これらについていざ考えてみると、案外「あれ…どうなってるんだろう?」と迷いがちです。ECサイトはいろいろな要素の組み合わせで作られており、これを理解するには、大まかな分野別に見ていくのが効果的です。
本記事では、ECに必要な仕組みや機能を、商品管理・販促・受注管理などのジャンル別に解説していきます。
ECサイトに必要な仕組みや機能:ページ管理
1つめはページ管理。主に求められるのは以下の機能。
商品情報の登録や更新
・商品名
・価格
・画像
・サイズ、重量
・カラー
・原材料
・品番
・レビュー
・FAQ
・その他商品説明
などなど、ユーザーに閲覧してもらうための商品情報を登録または更新する機能です。ブランドイメージに合っていて、訴求力の高いデザイン性も求められます。
商品検索、並び替え機能
・キーワード検索
・カテゴリ検索
・条件検索(色指定、送料無料など)
・ソート機能
など、ユーザーが目当ての商品にすぐたどり着けるようにする機能です。
キーワード検索の場合はサジェスト機能、カテゴリ検索の場合は自動で細分化する機能を追加するのも良いですね。
ECサイトに必要な仕組みや機能:商品管理
2つ目は商品管理。
在庫量を正しく把握し、品切れや不良在庫を出さないようにするための機能です。返品や交換があった際には要注意。数字が合わないと現場が混乱してしまうので、こまめな確認が大切になります。
ECサイトに必要な仕組みや機能:販促
・SNS連携
・メール配信サービス連携
・レコメンド、アップセル表示
・クーポン配布
・商品ランキング
・購買状況のリアルタイム表示
などなど、販促のための機能です。自社が行う施策に対応できるかは、EC構築サービスの選定ポイントになりますね。
ECサイトに必要な仕組みや機能:受注管理
注文を適切に処理し、スピーディな発送へつなげるための機能です。細分化すると、
・プロセス確認
・決済サービスとの連携
・キャンセル処理
・受注状況のメール送信
・納品書や請求書などの出力
・受注情報検索
などがあります。昨今のユーザーは即日発送に慣れているため、素早く対応できる仕組みが求められます。
ECサイトに必要な仕組みや機能:顧客情報管理
5つめは顧客情報管理。
注文や会員登録の際、ユーザーの氏名・住所・カード番号、所有ポイントなどの情報を取得しますよね。これらを販促へ活用するためにデータベース化する機能です。
また、顧客情報が外部流出しないようにするためのセキュリティ性も重要になります。
ECサイトに必要な仕組みや機能:顧客サポート
購入前の質問や相談、購入後のサポート、時にはクレームなどに対応するための機能です。
・電話
・メール
・チャット(チャットボット)
・LINE
などの手段が考えられます。サポートの質は顧客満足度に大きく影響するので、素早く対応できる仕組みが大切です。
ECサイトに必要な仕組みや機能:分析
ユーザーの動向や売上を分析するための機能です。
・ユーザーの流入経路
・よく見られているページ
・離脱の多いページ
・売れ筋商品
・購入者の属性
・リピート回数
などを確認し、これらの情報を発注や販促に反映します。
ECサイトの制作方法
上記の仕組みや機能は、ECモールでも自社ECでも必要になります。
両者の違いは構築方法にあり、どちらも一長一短です。ここでは各制作方法の概要やメリット・デメリットなどを解説していきます。
ECモール
楽天市場やAmazonマーケットプレイス、Yahoo!ショッピングといった、多数のネットショップが集まったサービスをECモールといいます。
最大のメリットは集客力です。月間数千万人が訪れる立地に出店したと考えると、その効果が分かりやすいはず。もちろん、ただ出店するだけでは売れませんが、集客コストを大幅に抑えられるのは魅力ですね。
また大手モールだと、その看板による信用度が高く、ユーザーに安心して購入してもらいやすいというメリットも。特に楽天は出店審査が厳しく、サービスのクオリティ維持に力を入れています。
デメリットとしては、ショップの独自色を出しにくいことが挙げられます。サイトのデザインやキャンペーン施策などに制約があるため、差別化は難しいでしょう。
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自社EC
モールを利用せず、自社独自のECサイトを持つという手もあります。
デザインや機能、集客施策などの自由度が高く、ブランディングにも向いています。ただし、この自由度を活かすための知識やスキルが必要です。
少し前は、自社ECを作るとなると莫大な費用が時間がかかりました。しかし、今だと初期費用無料で使えるサービスも多数登場しており、開店のハードルは格段に低くなっています。
自社ECの構築方法は、主に以下の4つ。それぞれ詳しく見ていきましょう。
ASP
インターネット上のクラウドで動くサービスをASPといいます。
リーズナブルに利用でき、テンプレートを組み合わせてサイトを構築するためオープンまで時間がかかりません。
しかし、ベンダー依存の要素が大きい分、デザインや機能の自由度は比較的低めです。
無料ASPの例:BASE、STORES
有料ASPの例:MakeShop、Shopify
オープンソース
オープンソースとは、ソースコードが無償公開されていて、誰でも自由に改変や再配布ができるソフトウェアを指します。
ライセンス費用はかからず、構築の幅が広いというメリットがあります。その反面、脆弱性を突かれやすいというデメリットも。
一定以上のスキルとリテラシーが求められるものの、費用を抑えたい場合は有力な選択肢に入るでしょう。
オープンソースの例:EC-CUBE、Magento
パッケージ
ECサイト構築に必要なシステムがパッケージ化された形態です。
はじめから一通りの機能が揃っており、さらにベンダー提供の拡張機能を追加することもできます。公式のサポートが充実しているため、導入~運用までスムーズに進められるでしょう。
しかし、導入費用・維持費用ともに高額になりやすいです。比較的大規模、または将来の事業拡大を視野に入れている企業向きといえますね。
パッケージの例:w2Commerce、ecbeing、EC-Orange、SI Web Shopping
フルスクラッチ
上記の方法を使わずに、完全オリジナルのECサイトを作るのがフルスクラッチです。
システムの制約がなくなり、自社の要望を100%叶えられるのがメリット。しかし、莫大な資金と時間、そして高度なスキルを要求されます。フルスクラッチは、超大規模サイト向けの手法です。
理想はECモールと自社ECの併用
ECモールと自社EC、どちらを利用するか?
理想は併用です。両者のメリット・デメリットを補完し合えるからです。実際、一定の売上規模を超える企業の6割が併用しているという調査結果も。
事業の初期段階から両方に取り組むのは難しいと思いますが、将来的には「どちらも運営」を考えたいですね。
まとめ
今回は、ECサイトに必要な仕組みや機能のほか、ECサイトの構築方法などを解説してきました。定期通販や越境ECの場合はさらに要素が増えますが、まずは本文にて解説したことを覚えましょう。
また、ECサイトは作って終わりではありませんから、運用していく中で機能の改善点が見えてくるはずです。その場合は改修も視野に入ってきます。
ECサイトの基礎的な知識をつける上で、本記事が役立てば幸いです。
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