梱包や発送の業務は作業量が多く、場所もとりますよね。ECサイトが成長するほど負担は大きくなり、徐々に悩みの種になっていきます。
その際に検討したいのが代行業者の活用。自社のリソースに余裕が生まれ、売上を伸ばすためのコア業務に専念できるようになります。
本記事では梱包・発送代行について、業務内容や料金体系、業者の選び方を解説した後、おすすめ業者を紹介していきます。
梱包・発送代行サービスの料金体系
梱包・発送代行の利用には、一般的に以下のような費用がかかります。ただし、業者により異なる場合もあるため、詳細は業者へ詳しく聞いてみましょう。
入庫・保管料
商品の入庫と保管にかかる料金です。
入庫料は入庫方法によって相場が変わり、一般的にはケース単位(相場:1ケース30〜100円)かピース単位(1ピース10〜30円)かのどちらかになります。
保管料は保管場所と作業スペースの面積で決まり、その単位は1坪・1棚・1パレットなど業者によって異なります。保管料には地価も影響し、首都圏で5,000〜10,000円、関西都市圏で5,000円〜。
冷蔵・冷凍・保温が必要な場合、追加料金も必要です。
ピッキング・検品料
商品を保管場所から取り出すピッキング作業と、商品の品質チェック業務にかかる料金です。
それぞれの相場は、ピッキング料が商品1点あたり5〜20円、検品は商品1点あたり10〜100円ほどです。機械や精密機器などで作動チェックをする場合、検品料が高くなる可能性があります。
梱包料
梱包料は、商品の梱包作業にかかる料金です。
箱が大きいほど高くなり、相場は1箱あたり50〜300円ほど。熨斗やラッピングのほか、サンキューレターやチラシ、商品サンプルなどの同梱には追加料金が必要です(後述のオプション料として請求される場合もあり)。
配送料
配送料は、宅配業者に商品を届けてもらうのにかかる料金です。
送り先が関東〜関西であれば相場は500~700円ほどで、北海道や沖縄、離島だと1,000円以上になることもあります。ただ、梱包・発送代行業者は、多くのクライアントから代行して、大量の配送をしていますので、配送会社との関係も強い会社は、送料も安く取り扱ってくれる場合があります。
システム利用料
システム利用料とは、WMS(Warehouse Management Systemの略)と呼ばれる倉庫・在庫管理システムの利用料のこと。基本料金として扱う業者もあり、どちらにせよ毎月かかります。
相場は数万円ですが、出荷数が多いと10万円以上になる可能性もあります。
オプション料金
オプション料金は、上記以外の業務にかかる費用のこと。
・ギフトラッピング
・熨斗
・サンキューレター
・チラシの同梱
・商品サンプルの同梱
・EMS(国際便)
などが挙げられますね。
オプションとは異なりますが、代行サービス導入時に初期費用がかかる場合もあります。
梱包・発送代行│業者の選定ポイント
次に、業者選びの際に注目すべきポイントを解説していきます。
①依頼の目的と業者の強みがマッチしているか
1つめは、依頼の目的と業者の強みがマッチしているかどうか。
例えば、自社の負担を減らしたいのであれば、業務範囲が広い業者や大口取引可能な業者を選ぶことになります。もし、ここでコスト第一で選ぶと、想定していた依頼ができない……といった事態になりかねません。
人件費削減が目的なら、低コストの業者を選ぶのが良いでしょう。
いずれにせよ、はじめに自社の依頼目的を明確にするのが大切です。
②自社の商材ジャンルを扱うのが得意か
2つめは、自社の商材ジャンルの扱いが得意かどうか。
慣れないジャンルだと、作業が遅くなったりミスが多くなったり、スムーズに事を運びにくくなります。衣服や家具、精密機器、食品などを依頼する場合、特に注意が必要です。
また、化粧品などは、日本語の表示ラベルを貼付したりする作業には、医薬品医療機器等法に基づく「化粧品製造業許可」が必要となりますので、得意とする業者を選ぶ必要があります。
③自社と業者のシステムはスムーズに連携できるか
3つめは、データの受け渡しです。通常、出荷の作業は、自社システムからデータを出力して、配送会社にデータを渡します。また、出荷後には、出荷番号を倉庫から戻してもらいます。この作業についても、自社でするのか、代行会社が行うのか、取り決める要素となります。
日に1回の出荷であれば、手動で良いと思いますが、より出荷量が増えた場合には、システムで自動的に行うことを検討します。その場合、自社と業者のシステムはスムーズに連携できるかどうか。できないとなると、導入工程が余分に発生したり、業務フローを大幅に見直しすることになってしまいます。費用も手間もかかるので、必ずチェックしなければなりません。
④料金体系に曖昧な点がないか
4つめは、料金体系に曖昧な点がないかどうか。
契約後に言った言わないのトラブルが起きるのは避けたいですよね。必ず見積もりを取り、それぞれの作業にかかる費用を具体的に把握し、気になる項目があれば詳細を質問しましょう。
梱包・発送代行業者のおすすめ:①料金が安い
ここからは、おすすめの梱包・発送代行業者を紹介していきます。まずは料金が安いところから。
株式会社サイテキ
国内最安値を保証している「株式会社サイテキ」。1円でも安い業者があれば、そこよりも安くすると宣言しています。
料金体系はシンプルで、以下の2種類があります。
【BASIC PLAN】
入庫・梱包・配送を代行。60サイズで480円/個、140サイズは640円/個
【TOTAL PLAN】
入庫・梱包・配送に加え、受注管理・レポート業務も。550円/個
どちらのプランでも、倉庫保管料が別途かかります。
同社は自社でEC運営を行っており、事業者としてのノウハウが豊富なのもポイントです。
EC Logi(エフケース株式会社)
「EC Logi」は、BtoC・BtoBの法人はもちろん、個人でも利用できるのが魅力です。
段ボール1箱分(35✕25✕40cm)でも契約可能で、料金プランは以下の2種類。
【安心プラン】
出荷した分だけに費用が発生する従量課金制
【割安プラン】
固定費が毎月発生するが、各作業費が割安になる
同社はアパレルを得意としており、アクセサリーや食品、書籍等にも対応可能。ただし、冷凍・冷蔵には対応していない点に注意してください。
配送代行サービスのおすすめ:②実績が豊富
次に、実績が豊富な3社を紹介していきます。
EC物流ドットコム
1988年創業の「EC物流ドットコム」は、2,800社の取引実績を持ち、さらにサービス利用継続率97%を誇ります。
小規模事業者でも利用しやすく、1坪・1パレット・1棚からでも対応可能。冷蔵・冷凍、関通については業者の紹介を行っています。
月~土曜の9~19時まで営業、緊急出荷の当日対応も可能となっており、柔軟な業務体制も魅力のひとつです。
株式会社オープンロジ
5,000社以上の導入実績を持つ「株式会社オープンロジ」。Yahoo!ショッピングと提携しており、同サイトでの物流に強みがあります(もちろん、ほかのモールや自社ECの業務も依頼可能です)。
料金は商品1点ごとにかかる従量課金制です。倉庫利用料+配送料というシンプルな形で、初期費用・システム利用料・固定費は無料。その他オプションも充実しているので、問い合わせ前に詳細を確認しておきましょう。
まとめ
今回は梱包・発送代行について、料金体系や業者の選定ポイントのほか、おすすめ業者を4社紹介してきました。
各社、特徴や強みが異なるので、自社が何を重視するかを明らかにした上で選びましょう。その際には自社の業務フローを洗い直すことになるため、今まで気づかなかったムダも見えてくるかもしれません。
本記事が参考になれば幸いです。