ECサイトの集客手段として重要なのが、SEO対策です。広告等と違い成果が見えるまでに多少の時間がかかるものの、費用を抑えられる上、いわば長期資産の集客装置にもなります。
アメリカのマーケティング企業POINTS GROUP社によると、Google検索で1位を取れば、それにかかった投資額の4.76倍のリターンを得られるとのこと。ECサイトが年々増加している今、競合より優位に立つにはSEO対策が不可欠なのです。
本記事では、ECサイトが取り組みたいSEO対策について、初心者向けのポイントを解説していきます。後半ではプロの業者も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ECサイトのSEO対策:①キーワード選定
キーワード選定は、今日のSEO対策における最重要事項です。
キーワードはニーズそのもの。これを満たしたコンテンツを提供しなければ、ユーザーはもちろんGoogleにも評価されず、上位表示不可能になります。検索語句に対し、適切な情報を提供しましょう。
キーワードの探し方や注意点は以下のとおり。
ロングテールキーワードを選ぶ
1つめは、ロングテールキーワードを選ぶこと。
ロングテールキーワードとは、複数の単語からなる競合性の低い検索語句を指します。例えば「スプリングコート 灰色 メンズ」「日焼け止め 敏感肌 体」など。逆に、単一の言葉で競合性の高いものはビッグキーワードと呼ばれます。
ロングテールキーワードは複数の単語で構成される分、それを入力する人の数は減りますが、同時にSEO対策で網を張っている競合の数も少なくなります。またビッグキーワードよりもバリエーションが豊富なので、塵も積もればなんとやら、売上全体の7~8割をロングテールキーワードからの流入というのが一般的です。
ビッグキーワードについては、上位表示できれば相当な売上につながります。しかし現状はAmazonや楽天、価格.com、大手メディアが独占しており、普通のECサイトは太刀打ちできません。
したがって、リソースを注ぐべきはロングテールキーワードとなるわけです。具体的な探し方は後述します。
購買に近いキーワードを選ぶ
次は、購買に近いキーワードを選ぶこと。
例えば、ただの「スニーカー」よりも「スニーカー ハイカット 赤」の方が、より具体的な分、購買欲求も高くなるのです。ブランドや価格帯などを指定してあると、さらに購買に近くなります。
また、ただの「スニーカー」だと、読者がスニーカーについての何を知りたいのか判断が難しいですね。一方「スニーカー ハイカット 赤」だと、検索意図が分かりやすいため、コンテンツを作りやすくなります。
このように、キーワードによって購買までの距離が異なる点にも注意しましょう。
まずはAmazonのサジェストキーワードを活用しよう
では実際、どのようにしてキーワードを探すのか?はじめはAmazonのサジェストキーワードを活用するのがおすすめです。
Amazonの検索窓に何かしらのキーワードを入力すると、関連キーワードが表示されます。Amazon内で提示されるということは、これらのキーワードにはニーズがあり、なおかつ購買に近いロングテールキーワードだといえるのです。
効率的に調べるには、Keyword Toolがおすすめ。サイトへアクセスし、「Amazon」のタブと日本語を選択し、検索窓に商品ジャンル等のキーワードを入力します。すると、Amazonの抱える関連キーワードを抽出してくれます。
AhrefsやMoz、RankTrackerといった有料ツールを導入すると、競合サイトも含めたより詳細な調査が可能になりますが、まずは上の方法を試してみてください。
あとは、「◯◯ おすすめ」「◯◯ 価格」といったキーワードも良いですね(大手アフィリエイトサイトが上位にある可能性も高いですが)。
ECサイトのSEO対策:②タイトル・ディスクリプション
対策キーワードは、タイトルに必ず入れましょう。
もし入っていなければ、ユーザーは自分の検索意図に沿った記事だと判断できません。検索結果画面で真っ先に目に入るのがタイトルですし、検索エンジンのアルゴリズム自体もタイトルタグを重要視しています。
各hタグへも、可能な限り対策KWを入れるのが望ましいです。
同様に、ディスクリプションにも対策キーワードを盛り込み、記事の要点をすぐ理解できる魅力的な要約を目指しましょう。
ECサイトのSEO対策:③分かりやすい文章や画像
ユーザビリティ向上のために、一目で分かりやすい文章や画像を心がけましょう。
文章については、詳細でありながら簡潔に、そして具体的に書くのが大切です。また、特徴やスペックだけを解説するのではなく、購入後の自分をイメージできる文言も入れたいですね。
画像も、商品の詳細が分かりやすいものを選びましょう。ECサイトでは画像が多くなりがちですが、その際ファイルサイズの圧縮も忘れずに。
ECサイトのSEO対策:④ページの正規化
ページの正規化とは、内容が重複したページのうち、最も重要なページを指定して検索エンジンに教えてあげること。
色違い・サイズ違いの商品ページを複数作成する場合などに使います。 単にページを作成するだけだと、検索エンジンにコピーコンテンツだと判断され、ペナルティとしてずっと検索下位に……という可能性があるのです。
これを回避するには、ページのhead部分に「canonicalタグ」を加えます。 すると、検索エンジンは似通ったページの中から、このタグがあるページだけを評価するようになります。
忘れがちな点ですので、コンテンツ作成時には注意してください。
ECサイトのSEO対策:⑤オウンドメディア運用
これからのECサイト運営においては、トップページや商品ページを作り込むだけでなく、オウンドメディアを運用していくのも大事になってきます。
商品ページだけでは対策キーワードに限界があり、流入経路も限られているからです。オウンドメディアの内容としては、
・商品の基本的な使い方
・商品の意外な使い方
・手入れのコツ
・商品ジャンルに関する知識
・ブランドストーリー
・お客様の声
などが考えられます。ユーザーのためになるコンテンツを、記事に落とし込んで提供しましょう。
*ECサイトのオウンドメディアについては、以下の記事で詳しく解説しています
ECサイトのメディア化がトレンドに?方法や事例などを紹介
ECサイトのSEOに強い業者2選
自社だけではSEO対策が難しいと感じる場合、代行・コンサル業者に依頼してみるのもおすすめです。プロの手により、成果までのスピードを早められます。
今回は、おすすめを2社紹介していきますね。
株式会社プレート
「株式会社プレート」は、SEOやコンテンツマーケティング、Web制作、広告運用などを手掛ける企業で、13年にわたって企業や学校などのサイト運営支援をしています。
ECサイト立ち上げはもちろん、リニューアルの相談も可能。さらに薬機法にも精通しており、業種・業界を問わず頼りになるでしょう。
マーケター、デザイナー、エンジニア、ライターなどの各専門職が社内に在籍しており、ブレないSEO対策を一気通貫でサポートしてくれます。
株式会社ヒューコネクト
「株式会社ヒューコネクト」は、費用対効果に徹底的にこだわったEC運営支援が特徴です。SEOに強い会社ではありますが、ときには他の施策に切り替えることもあるとサイトで述べており、1つの施策に盲目にならない柔軟な対応をしてくれます。
また、同社は人材育成にも力を入れていて、将来の内製化を目指している方にもおすすめです。
さいごに:SEO対策は継続が大事!
SEO対策は、1度やって終わりではありません。
順位チェック、競合調査、顧客調査、検索エンジンの情報収集などをこまめに行い、継続的にコンテンツを改善していくことが大切です。上位表示を勝ち取ればサイト自体のパワーがアップし、ほかのコンテンツも上位表示されやすくなりますので、ぜひ継続的に取り組んでください。
今回解説したことのほかにもSEO対策の方法はあります。しかし、まずは上記のような優先順位の高い施策を押さえていきましょう。