EC事業をはじめる際、楽天やAmazonといったモールへの出店は誰もが考えますよね。モール自身の集客力を活用できるのは魅力です。
ただ、国内だけでも複数のサービスがあり、「自社はどこへ出すのが良いんだろう?」とお悩みの方も多いはず。各々、特徴や費用が異なるので、まずはそれらを把握しましょう。
今回は、主要な国内ECモール5つ(楽天・Amazon・yahoo!ショッピング・au PAYマーケット・Qoo10)を比較していきます。
国内ECモール│費用の比較表
まずは、各モールの利用にかかる費用を見比べてみましょう。
楽天市場 | Amazon | Yahoo!ショッピング | au PAYマーケット | Qoo10 | |
初期費用 | ¥60,000 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額費用 | ¥19,500~¥100,000 | ¥100~¥4,900 | 無料 | ¥4,800 | 無料 |
システム利用料 | 2~7% | – | ー | ー | – |
成約・販売手数料 | ー | 8~15%(一部45%) | 無料 | 4.5~9% | 6~10% |
決済手数料 | 決済方法による | 決済方法による | |||
アフィリエイト手数料 | 2.6%~ | 無料 | 30% | ー | 無料 |
ポイント原資 | 1%~ | 0%~ | 1~15% | 1%~ | 0%~ |
その他 | 安全性・利便性向上費用 0.1% | ー | キャンペーン原資 1.5% | 各種オプション¥10,000~ | ー |
R-Messe ¥3,000 |
*正確性を保証するものではありませんので、ご自身での確認もお願いいたします
各サービス、料金体系がまったく違いますね。どのくらいの支払いになるのか、売上の予測や目標と照らし合わせて費用対効果を見極めましょう。
国内ECモールの特徴比較
ここからは、各モールの特徴を解説していきます。料金以外の判断材料として参考にしてみてください。
*各モールの流通総額については、以下のサイトから引用
eccLab/【2019年EC流通総額ランキング】国内16・海外20のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド
楽天市場
「楽天市場」は、利用者数5,000万人・流通総額3兆8,595億円を誇る、国内最大級のECモールです。ポイント還元や割引のキャンペーンが頻繁に行われており、集客力はトップクラス。
楽天の出店プランは以下の4種類。事業規模に応じて選びましょう。
月額出店料は一括または分割払いとなるため、プランごとの初期費用は下のようになります。
ただし、モール全体のクオリティ向上のために、厳しい出店審査が実施されます。落ちることも珍しくありません。事業計画を練り込んだ上で、提出資料には曖昧な点を残さないよう注意しましょう。
Amazonマーケットプレイス
楽天と肩を並べる規模のECモール「Amazonマーケットプレイス」。利用者数5,000万人・流通総額3兆4,238億円を誇ります。
テナントとして出店する楽天とは違い、商品を出品するマーケットプレイス型というのが大きな特徴です。Amazonが管理する共有の商品ページに、各業者が商品を登録する形式です。
出品だけで済むため参入のハードルが低く、比較的少資本でもはじめられます。その反面、自社の独自色は打ち出しにくく、顧客からは「Amazonで買った」と認識されやすいデメリットも。
出品プランは以下の2つ。事業規模に応じて選びましょう。
なお、AmazonはFBAというフルフィルメントサービスも提供しており、手数料はかかりますが、商品保管・ピッキング・発送といった物流業務をすべて任せることもできます。
Yahoo!ショッピング
「Yahoo!ショッピング」は業界3位のECモールで、流通総額は8,519億円。
特徴は、初期費用・月額固定費・成約手数料が無料という点。ポイント原資や決済手数料、広告費などはかかりますが、出店コストの低さは魅力ですね。
この料金体系により、店舗数は50万店以上と、楽天の10倍以上にものぼります。一方で、流通総額は楽天の1/4程度ということで、店舗間の競争は激しいです。また近年、出店審査が厳しくなってきています。
au PAYマーケット
「au PAY マーケット(旧au Wowma!)」の特徴は、auユーザーの囲い込みに強いこと。ローンチが2017年と歴史が短いものの、2019年の流通総額は1,287億円となっており、今後の成長に期待がかかります。
初期費用無料で、出店のハードルは低め。
ちなみに、au PAYマーケットの顧客はスマホ利用率93%となっています。各ページはスマホでのユーザビリティや見栄えを真っ先に意識しましょう。
Qoo10
「Qoo10」は、ebay Japanが運営するECモールで、2019年の流通総額は1,209億円。
10代~30代までの若い女性がメインターゲットで、商品はアパレルやコスメが主力です。この性質により、客単価はあまり高くありません。
料金は販売手数料のみ。初期費用や月額固定費はかからず、シンプルかつリーズナブルな料金体系になっています。
近年では、TVCMなどのプロモーションを積極的に行っています。主力ECモールにはしにくいですが、女性向け商品を扱う場合は出店を検討するのも良いですね。
まとめ
今回はECモール比較をテーマに、国内の主要サービスの料金体系や特徴などを紹介しました。
モール最大のメリットである集客力を考えると、まずは楽天かAmazonか、それとも両方かを検討しましょう。au PAYマーケット等については、さらなる販路拡大の手段としてとらえるのがおすすめ。
自社が何を重視するか明確にした上で、慎重に出店先を見極めてください。
*ECモール比較について、以下の記事もぜひ参考にしてみてください