【2021年】食品EC業界の市場規模はどのくらい?トレンドなども交えて解説

【2021年】食品EC業界の市場規模はどのくらい?トレンドなども交えて解説

私たちの生活になくてはならない食品。スーパーやコンビニといった実店舗で買うのが一般的ですが、昨今ではEC利用も拡大しています。TV番組などでも、ネットで取り寄せできるグルメの特集などがありますよね。

ただ、食品業界全体で見ると、EC利用の比率は高くありません。逆に言えば開拓の余地があるわけで、今の状況をチャンスととらえていきたいところ。

本記事では、そんな食品EC業界の市場規模やEC化率、そして今後の見通しなどについて解説していきます。

食品EC業界の市場規模

出典:経済産業省/電子商取引に関する市場調査(令和元年度)

経済産業省によると、2019年の食品EC業界の市場規模は1兆8,223億円でした。

生活に直結するものなだけあって、非常に需要が高いですね。前年比7.7%増という成長率を見ても、そのポテンシャルが伺えます。

物販分野全体においては、衣類に次いで、家電・AV・PCに並ぶ規模となっています。

出典:同上

食品EC業界の市場規模│主なECサイト

では次に、食品を扱う主なECサイトにはどんなものがあるのかを見ていきましょう。

楽天市場

画像:楽天市場公式サイト

国内のECサイトといえば、まず「楽天市場」を思い浮かべる方も多いのでは。

2019年の年間利用者数は5,000万人を超え、抜群の集客力を有します。ランキング上位に入った商品は数十万個以上売れることもあり、事業者にとっては出店先の有力候補になるでしょう。

モール型ということで、食品の販売形態はさまざま。単品通販だけでなく定期通販、西友と提携してのネットスーパー、ふるさと納税などがあります。

Amazonマーケットプレイス

画像:Amazon公式サイト

「Amazon」で食品を買ったことのある方も多いでしょう。楽天と同じく年間5,000万人以上が利用する、国内最大級のECサイトです。

通常の単品通販のみならず、生鮮食品を扱うamazonフレッシュ、全国各地のグルメを扱うご当地ストアといった独自サービスも充実しています。Amazonは全国に自社の物流拠点を整備しており、迅速に配送してくれるのも魅力ですね。

各種ネットスーパー

画像:イトーヨーカドーネットスーパー公式サイト

ネットスーパーは、イトーヨーカドー、イオン、西友、生協といった大手のほか、地場型の企業も展開しています。

昨今では、スーパーでの日常的な買い物もネットでするようになってきました。実店舗の営業時間外でも注文できる、重いものでも数量を気にしないで良いといったメリットが魅力です。

食品業界のEC化率は低い

前述のとおり、食品ECの市場規模は1兆8千億円という巨大さを誇るものの、食品市場全体におけるEC利用率(=EC化率)は2.89%と非常に低くなっています。残りの97.11%は、実店舗での取引なのです。

他ジャンルのEC化率と比べてみましょう。

✓家電・AV・PC:32.75%
✓書籍・映像・音楽:34.18%
✓生活雑貨・家具・インテリア:23.32%
✓アパレル:13.87%

このように、食品のEC化率は非常に低いことが分かります。ただ、食品と同様の状態にあるジャンルもあります。

✓化粧品・医薬品:6.00%
✓自動車・自動二輪車:2.88%

このような商品は、実際に見て触れて、ときには試用して購入を検討しますよね。ECサイト上の画像や説明文だけでは、判断材料が不足しているわけです。食品の場合、鮮度が安定しないことや実店舗で事足りることなども理由に挙げられます。

とはいえ、物流拠点や配送網の整備などにより、生鮮食品であっても迅速に配送できる仕組みが全国に行き渡りつつあります。

急成長しているという数字からも、食品ECは将来性に期待の持てる市場といえるでしょう。

データ出典:経済産業省/電子商取引に関する市場調査(令和元年度)

食品EC業界の市場規模│2021年はどうなる?

2021年2月現在、ワクチン接種の話は出てきているものの、まだまだ収束しそうにない新型コロナ騒動。外出自粛のムードとともに巣ごもり消費も継続でしょう。

これに連なり、食品ECの市場規模は一層拡大するとみられます。

事業者としては、実店舗以外の販路も求めなければなりません。コロナ禍が沈静化した後も、EC利用を継続する人は一定数いるはずです。

よって時勢からしても、ECの導入を検討してみるべきといえます。

食品ECの課題~生産者や商品の情報が不足~

出典:日本政策金融公庫/ネット通販に関する消費者動向調査結果

日本政策金融公庫が実施したアンケートでは、「インターネット通販の事業者に期待すること」の1位に「生産者や商品の情報をもっと提供してほしい」がランクインしています。

消費者としては、できるのであれば食品は実際に見て確かめたいですよね。しかしECではそれが不可能なため、事業者は少しでも具体的なイメージを持ってもらうための情報をなるべく多く出さなければなりません。

「実際のところはどうなのか?」これをハッキリと想像できてはじめて、消費者は購買意欲を高めます。画像、動画、商品コピー、レビューなど、情報の充実したサイト作りを心がけましょう。

まとめ

今回は食品ECの市場規模について、現状や今後の見通し、課題などを解説してきました。

これから先、食品のEC化率は年々アップしていくでしょう。ただ、実際に商品を確認できない点が運用を難しくしています。上述のとおり、情報を少しでも多く出すことが重要です。

また、コロナ禍の動向についても目が離せません。ニュースなどをこまめにチェックし、市場の動向を押さえておきましょう。

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